2008年11月17日月曜日

ホリスティック緩和ケア

15日は高山にホスピスをつくる会の主催で緩和ケアに関する講演を、16日は東京でNPO法人日本臨床食物機能研究会で緩和ケア病棟での代替医療についての講演をしてきました。

いずれもなかなか好評でした(と私が思っているだけ?)。

緩和ケアというと、どうしても死ぬところというイメージがります。でも私は、安らぎだけではなく、希望も持てる緩和ケアをつくっていきたいと思っています。

末期のがん患者さんであっても「まだあきらめたくない」という人はたくさんいます。特に若い人であればなおさらのことだと思います。

そのような人たちに対しては、たとえ末期であったとしても治療的なかかわりを続けていってあげることが、その患者さんの思いに寄り添ったかかわりではないかと思っています。

ただし、末期の患者さんに対して抗がん剤や手術はできません。そこで登場するのが治療的代替医療です。それは丸山ワクチンでも健康食品でも免疫療法でもよいのですが、とにかく患者さんの体に負担がかからず、かつ希望を支えられればそれでよいのです。

つい治るの、治らないのとか、効果があるのか、ないのか、といった議論になりがちですが、それは分からないとしか言いようがありません。でも患者さんの希望を支えてあげることはできます。

そんな試みを彦根市立病院の緩和ケアではやっていると言うことをお話ししてきました。今まではただ単に、死ぬだけの所と思っていたが、緩和に対するイメージが大きく変わった‥といった意見を頂き、少し気分がよくなりました。

やはり固定観念に縛られることなく、あくまでも患者さんの心の治癒力を大切にするといったかかわり方が大切だと思いましたし、これがホリスティック緩和ケアと言えるのではないかと勝手に思っています。

黒丸尊治。