2008年11月10日月曜日

万人のためのホリスティック医療

東京で行われたシンポジウム2008「万人のためのホリスティック医療 もっと身近に、もっとあたりまえに」を聞いてきました。

メインゲストは作家の田口ランディさん。帯津先生との対談され、自身の家族の看取りや、今年亡くなられた柳原和子さん(関西シンポジウム2001のゲスト)とのお付き合いの中から、医療問題にかかわる深い洞察を示されました。小説「キュア」は、帯津先生も上野圭一さんも一気に読んだとか。

抄録誌の田口さんの原稿から抜粋
 ・・・ホリスティック医学というのは、「ホリスティックな医学」が存在するのではなく、医療者と患者と家族の関わりも含めた全体性のなかで、生と死の物語が展開されることだと感じています。・・(略)・・
 これまで医療は独走し、死を敗北と見なし患者や家族を置き去りにしがちでした。死が生のエネルギーを持っていることを認めず、全体の関係性を断ち切って患者を孤立させてきました。人間が生きて死ぬために必要なのは、ホリスティックな場と関わりです。それを育むのが治療者ではないかと思っています。

帯津先生は、「これで言い尽くされている」とおっしゃってました。
田口さんはしとやかな和服姿で登場されましたが、しゃべりだすとなかなか歯切れよくパワフルでした。

午後は、タイトルの「万人のため」を実践しようとしている4人のパネリストによるディスカッションでした。
500人程度の会場で、こじんまりとはしていましたが満席状態で、そこで語られたのはこれからの医療を改めて問う内容でした。