2009年4月28日火曜日

久しぶりの発熱

昨日風邪を引いて久しぶりに38℃の発熱がありました。いつもは早めに薬を飲んで初期の段階で抑え込んでしまうのですが、最近今年から社会人になった娘が風邪を引きました。朝高熱と全身が痛いと言っていたので麻黄湯を飲ませました。娘はその日会社を休んで翌日は熱も下がって会社に行くことができました。

娘の風邪をもらったのか、その後私と家内の体調は良くありませんでした。私は風邪の初期はいつもは葛根湯を使うことが多いのですが、今回は全身がやや重たいというか軽い痛みを感じました。悪寒と発熱があります。発汗はありません。私は今回は葛根湯というより麻黄湯の証だと考えて、麻黄湯を服用しました。

漢方薬の風邪薬の使い方は、後漢末期~三国時代に張仲景が編纂した傷寒論に詳しく解説されています。同じ風邪の初期でも虚弱で汗が出る人は、皮膚を守っている衛気の働きが弱い虚証の風邪で葛根湯や麻黄湯を使うことができません。桂枝湯を使います。汗が出るか出ないかで漢方の処方が変わってきます。

私のような実証タイプではあまり、桂枝湯は使いません。麻黄湯は骨節疼痛といって、インフルエンザのような全身の関節痛があるような時によく使います。初めて麻黄湯を飲みましたが、その後熱は下がって今日は何とか平熱に戻りました。さらに私のクリニックではニンニク注射やプラセンタ注射もしていますので、ニンニク・プラセンタ点滴をして体力の回復に努めました。

最近のニュースではメキシコから豚インフルエンザが世界に拡がっているようです。くれぐれも風邪を引かないように注意して下さい。ワクチンがすぐに使えたらいいのですが、新しいインフルエンザに対してワクチンはすぐに作れません。タミフルも新型インフルエンザに効果があるようですが、国民に対してどれだけ備蓄があるかという問題もあります。どうしても適切な薬が手に入らない場合は、漢方薬が案外効果を示すかもしれませんね。

2009年4月25日土曜日

花水木咲く


我が家の入口にハナミズキの木があります。

5年前に植えてもらったものですが、
同時に植えたエゴノキのほうが元気に花を咲かせているのに対して、
こちらは当初から貧弱で、夏は虫が付き、冬は葉が落ちて、「枯れてしまうのでは?」とずっと心配でした。

が、
咲きました!
五年目にして、やっと一輪。

一昨日、家内が発見。
葉の間に、隠れるように、ひそやかに咲いていました。

「いつか花咲く時が来る」
陳腐なセリフですが、今までを知っているだけに、感動ものです。

樹の持つ、静かな、でも確かな生命力にあやかりたいものです。

愛場庸雅

2009年4月23日木曜日

淡婆姑


江戸時代の医者で
岡本一包という
名医がおられました。

この方は、
「曽根崎心中」で有名な
近松 門左衛門の弟です!

鍼灸・漢方薬などの著書を
たくさん残されていますが、
「和語本草綱目」
という本に
淡婆姑(タバコ)について
書いてありました。

氣の巡りを早くさせ
陰(体の潤い)を
消耗させてしまうなど有害な
記述だけでなく
氣の巡りが早くなることで
体の活性化、お酒の酔い覚めになる
など効用も書されています。
(少量という意味で
 過ぎれば必ず有害とあります)

喫煙はお勧めではありませんが、
無理をなさっていて過活動な方や、
ストレスのはけ口として
喫煙されている方が
急な禁煙をなされても
心身のバランスを
崩す場合がある様思います。

少しずつ過活動が抑えられ
喫煙以外のストレスのやり場を
模索しながら
禁煙へと向かってゆければと
思います。

「百害あって一利なし」
と思われる事柄にも
ほんの少し「利」
があるかも知れません。

人間関係においても
嫌いな人は
「お会いしたくない」
ですが、
その人から得られる気づきが
隠れているかも知れません。

変なプラス思考で
嫌いな人を好きにならなくても
いいでしょう。

しかし、
「人のふり見て我がふり治す」
「自己表現でかけている部分を極端に表現している」
自分に似ているから嫌い
自分が抑えていることを表現するから嫌い
などが、あるかも知れません。

「一利」も無いこともあると思います。
そこで「一利」を見つけられることが
出来ればと思います。

青龍サコダ鍼灸治療院 迫田 敬一

2009年4月22日水曜日

第29回コアの会学習会案内

第29回学習会

平成21年5月16日(土) 午後3時~午後5時
                   
場 所 : 慈恵クリニック
      奈良県大和郡山市小泉町東1丁目8-7
     (JR大和路線大和小泉駅、徒歩1分)
      参加者が多ければ変更します

講    師      古神道行者  与乃登氏


学習予定内容
1.予言・予知・予知夢(正夢)・デジャブー
どうして未来の事が分かったりするのですか?
誰でも予知夢(正夢)を見たりできるのですか?
眠っている間に体外離脱するって、本当ですか?
デジャブー(既視感)って過去生で見た記憶なのでしょうか?

2.検討会





参 加 費
2000円(一般 おやつ代等含む)
1000円(慈恵クリニックの患者さん、コアの会会員、ホリスティック医学協会会員)


定員 :20名

申込 :慈恵クリニック
    TEL. 0743-57-6131
    yamada@jikei-clinic.com
    *メールでお申し込みされる場合は、来られる方の
     お名前と所属、連絡先電話番号かメールアドレス
     を記載してください。
    *お申し込みは5月13日までとさせていただきます。
     

------------------------------------------------------◆◆
コアの会:慈恵クリニックで開催される勉強会です。
コはこの世のこと、アはあの世のこと、そしてコアは英語で
核心という意味があります。

私たちが生きている現実的な世界とスピリチュアルな
領域も含めて、健康について必要なことを深く勉強し、より
健康的な人生を歩んでいけるお手伝いをしたいと思っていま
す。
------------------------------------------------------◆◆

次回第30回学習会は
平成21年6月27日(土)午後3時~午後5時開催
講師:薬剤師、漢方の養生舎代表 野網昭南氏
タイトル: 食の安全を考える
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2009年4月14日火曜日

セミナーで最も大切なことは?

久しぶりの投稿です。

先日、といっても一週間前ですが4ヶ月(8日間)にわたったホリスティックコミュニケーション実践セミナーが無事終了しました。今回は受講生、再受講生をあわせて30名近くいましたので、結構にぎやかでした。

最終日には、みなさんそれなりのかかわり方ができるようになっており、またアンケートによる満足度も結構高かったので、とりあえずの目的は達成したかなと思っています。

このセミナーで重要なのは、もちろんコミュニケーションスキルを学ぶことなのですが、それ以上に大切なのははやり、みんなとの「つながり」を持つということだと痛感しました。

セラピストの人が多かったのですが、普段は皆さん一人で仕事をしていることが多く、こうして仲間で集まるということがほとんどないようでした。

しかしこのセミナー中は、みんな仲良くなりますし、また終了後の飲み会では、皆さんそれぞれにはじけ、とても和気藹々とした時間を過ごしていました。

そのような「つながり」が、セラピスト自身の癒しにもつながり、それが今度は日常における仕事にもよい影響を及ぼすようになるのだと思っています。

セミナーというと、ついつい知識や技術の習得を目的としてしまいがちです。もちろんそれも大切なのですが、こうした「つながり」の中で、自分が解放され、癒され、気付くことの方がもっと重要なことではないかと思うようになってきました。

これからもそのような視点を忘れずに、このセミナーを続けていきたいと思っています。

なおセミナーに関心のある方は、ホリスティック医学協会関西支部のホームページから「セミナー・講座」をご覧下さい。

2009年4月13日月曜日

もし、がんになったら


健康コラム、「ホリスティックヘルスを目指して」の第5回目の原稿を公開いたします。

なお、今週土曜日(4月18日)に、慈恵クリニックの「コアの会学習会」で、「がんを生きる」というテーマでお話をさせていただきます。その予稿と思っていただいて結構ですが、学習会ではもう少し深い話をさせていただこうと思います。ご期待下さい。

「コアの会学習会」については、ホロスの風の3月23日の山田先生の案内をご参照ください。


Ⅴ:もし、がんになったら

働き盛りの方が、今最も気になる病気と言えば、やはり「がん」ではないでしょうか。二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで死ぬという時代になってきました。ですから、がんはごくありふれた病気なのですが、がんの研究は進歩しつつあるにもかかわらず、わからないことがいっぱいあります。

もし、がんと宣告された時には、その病状に対して、正しい知識を持つことが必要です。一口にがんと言っても、たいへん多くの種類があり、そのできている場所、性質、進展度合いによって、治療の方針は全く変わってきます。また、同じ場所、同じ種類のがんであっても、その後の経過が人によって全く違うこともよくあります。また最近は、がんの診断と治療にも次々と新しい技術や薬も登場しています。

一方で、がんの代替療法もいろんなものがあります。特に現代医学ではもう手の施しようがないと宣告されてしまった、いわゆる「がん難民」の方にとっては、代替療法に頼るしかないというのも実情です。情報を集め、代替療法を実践されている方も多いと思われます。
前回にも書きましたように、その効果や価値は一概には言えません。「現代医学の考え方にそぐわない」、「有効性の証拠がない」、と頭から否定するのも問題ですが、逆に手術などのきちんとした治療をすれば治る可能性が高いのに、それが嫌さに中途半端な代替医療に走って、治療のチャンスを逃してしまうというのも残念なことです。代替医療をやるからには、信頼できるものを、信念を持ってきちっとすることが必要です。

そんな中でベストの治療法を選ぶためには、医療者とのコミュニケーションが必要です。がんは、医療者と患者が共同して立ち向かってゆかなければ、うまく対処できない病気だからです。私は、がんに対する理想の治療は、(今の医療のシステムの中では困難なのですが)現代医学の良さも、代替医療の良さも活かし、患者さん一人一人の特性や希望に応じた、オーダーメイド、テーラーメイドの治療ではないかと考えています。


今、多くの人が持っている、一般的な「がん」のイメージは、次のようなものではないでしょうか。原因不明。確実に予防できない。どんどん大きくなる。不治の病・死の病。一旦病巣が消えても、再発や転移をする。早期発見・早期治療が全て。手術・放射線・化学療法(抗がん剤)は、こわい、副作用の多い、危険な治療法。三大療法で効かなければもう手の施しようがない・・・

つまり、がんはとても恐ろしいもの、悪いもの、排除すべきもの、憎い敵、と考えられています。しかし、ホリスティック医学の立場から見ると、がんは少し違った見方ができます。

多くの場合、がんは、放っておくと命にかかわる重大な病気であることは確かです。そのため、一旦がんになると、どんどん進行する一方であり、自然治癒することはありえないと思われていますが、実はそうでもありません。

私たちの体は、常に細胞が入れ替わってゆくことにより維持されていますが、その中では、異常な細胞、がん細胞は、いつも少しは発生していると言われています。ただそのような細胞は、ふつうは体の持っている免疫システムにより排除されてしまいます。しかし、このような免疫による防衛機構をすり抜けて増えてきたのが、目に見える形のがんなのです。

ですから、免疫力がいろんな理由で低下すると、がんが発生する可能性が高くなり、逆に免疫力、自然治癒力がアップするとがん細胞は消えてゆきます。そして、ごくごく極めて稀ですが、進行したがんでも確かに自然治癒したという例があるのも事実です。それでは、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

以前にも書きましたが、心と体というのは非常に密接な関係にあります。心の影響で体に病気ができる場合はいくらでもあります。実は、がんもそうだといわれています。心が生き生きとしており、よく笑っていると、がんの進行がおそくなる。逆に生きている目標がなくなり、絶望してしまうと、がんの進行が速くなるということがよくあります。
最近は、心の状態が免疫力に影響を与えることがわかってきました。イライラ、抑うつといった心の状態は、がんを排除するための免疫力が低下するといわれており、逆に吉本新喜劇を観た後では、免疫力のマーカーのひとつであるNK細胞活性が上がった人が多いという研究報告もあります。
ですから、心の在りかたで進行したがんが自然に治癒するということも、絶対にありえないことではないのです。

 このような、極めてまれな自然治癒を体験された方、そこまでゆかないまでも、大手術など大変な体験をして、がんから生還してきた方々には、「その後の人生が大きく変わった」と言われる方が多いようです。意外ですが、がんを体験し、がんから生還した人々の話を聞くと、必ずしもがんを「悪いこと」と思っておられないこともあります。がんになったことは必ずしも敗北ではなく、人生を見つめなおすためのチャンスであることも確かです。がんは、生きがいとか、本当に大切なものとか、死に対する考え方とか、そんなことを考えさせてくれる先生なのかもしれません。

最後に、私の提唱する「がん」になった時のアドバイス「がんを生きる十二カ条」を記します。
1.あきらめない
2.がんばらない
3.自分のがんを知ろう
4.自分の病気は自分で治そう
5.助けてもらおう
6.笑おう・泣こう
7.つながりを持とう
8.死に方を考えよう
9.がんの意味を考えよう
10.人生を肯定しよう
11.勇気・祈り・希望
12.生き方を変える

愛場庸雅

2009年4月11日土曜日

さらに・・犬の骨折


写真は、あの忌まわしい骨折の一週間前、1月3日のお散歩中の写真である。
一週間後にわが身に起こる「不幸」を知ってか知らずか、幸せそうに笑っているように見える。

「不幸」と書いたが、本当にそうなのだろうか?

もし、野生動物が同じような下半身麻痺になったら、エサを捕ることができず、それは即、死を意味する。

一方、我が家の蘭ちゃんは、「寝たきり老犬」になって以来、一発「ワン」と吠えるだけで飼い主がエサを運んできてくれる。「クーン」と泣けば下の世話をしてくれる。
そして、人間が大好きで、いつでも一緒に居たいレトリーバーにとっては、常に飼い主がそばに居るのは、実は幸福なことではないのだろうか?

「疾病利得」という言葉が頭に浮かんでくる。

ホリスティック医学では、「病の深い意味に気づき、自己実現を目指す」とある。
病気や、障害、老い、死といったものを単に否定的に捉えるのではなく、むしろその深い意味に気づき、生と死のプロセスの中で、より深い充足感のある自己実現をたえず目指してゆく・・・と。

ホリスティック医学の考え方の中で、最も大事な部分だと思う。

が、たぶん犬はそんなことは考えない。
くう・ねる・あそぶ、 そして死ぬ。
動物は、単にあるがままに、その日を生きている。

ちょっとうらやましい気もする。
病の意味などという、ある意味余計なことを考えるのは人間だけだ。

今の我が家のごとく、病気の渦中で苦しんでいるときは、その日その日が必死である。
でもそれは、「あるがままの生き方」でもある。
「病の意味」を考えるなんて、そう簡単にはできない。それは、ずっと後になってからわかってくることなのだろう。


そんなことを考えていたら、足元で犬が「クーン」と啼いた。
??
あーっ、またオ○○○
飼い主の悪戦苦闘の日々は続く。

「犬の骨折に隠された深い意味」に気づく日は来るのだろうか?

愛場庸雅

2009年4月6日月曜日

花粉症~

花粉症についてですが、
私自身、18年目の花粉症です。
この間に仕事、考え方、生活が
変化しながら、

鎖骨を叩く。
後頭部を緩める
(青竹のような形で固めの枕を使用する)
頭のお灸
食事や運動。リラクゼーション。

いろいろ対応してきました。
スギとヒノキに
アレルギーがありますので
2月~5月だけですが
大変でした。


今年は1日だけ
症状のひどい日が
ありましたが、
楽な日が多かったです。

現在、気をつけていることは、
「冷えにくい体を保つ!」
です。
逆に言えば、
冷えやすいことを避ける。
しかし、単純に温めるという訳では
ありません。

冬場~発症時期の
発散を抑え
「氣が消耗しないように!」
(過度の刺激物、肉食、果実、アルコールの飲食。
過度のストレス、過度のSEXなど)
目安としては、冷や汗が手足、体に出ないように上記を過度に行わない。

運動や暑くて汗をかくのは
宜しいのですが、
少しの刺激で汗をかくのは
氣が消耗しているからです。

脉では、(参考
弱く細い方は特にお気をつけください。

ほか、尺が弱く
寸が強い方も
のぼせが強いので、
悪くなりやすいです。

ただ、ストレスになることは
良くありませんし、
「発散することも時には大事です。」

お体と相談しながら
過ぎないことを心がけ
ご自身に合った
養生をして頂ければと
思います。

青龍サコダ鍼灸治療院 迫田 敬一

2009年4月1日水曜日

脉診~左右の脉

フォーラムにおこし頂けなかった
皆様には馴染みの無いお話かも知れませんが
一読頂ければと思います。

3月29日のフォーラムで
ご質問いただきました
「脉診は左右のどちらを診るのが良いですか?」
口頭でもお答えさせて頂きましたが
改めてご説明させて頂きます。

脉診は両方の脉を診る事をお勧め致しますが、
「男は左、女は右」
と古来より言われまして
男性は左が優位で
女性は右が優位とされます。

左は、氣の発散性を表し
一度に使える氣の量を表します。
「男性の方が力がある」など
心身ともに使える力を現しています。

右は、氣の求心性を表します。
女性は、お子様を授かる権利がありますので
おへその下を中心に氣を集めることが重要です。

しかし、女性でもお体が丈夫でお仕事も
男性より能力のある方もたくさんおられます。
全体として比べた場合の比較であり
個人では一概には言えないです。

ただ男女とも優位であるべき脉に
力が無ければ、
調子が良いとは言い難いです。

男性で左の脉に力が無ければ、
お疲れが取れない感じで
お仕事にも差し障ることも・・
女性で右の脉に力が無ければ、
月経などに異常をきたすことも・・

病名は医師の診断が必要ですし、
専門の施術者に
脉診を診てもらわないで
安易に「~が悪い」とは考えないほうが
良いです。

しかし傾向として、
脉に偏りがある場合に、
生活習慣を見直されることはお勧めです。

男女ともいつもより
脉に力が無いと「気疲れ」
の場合が多いですが
特に左の脉に力が無いと言う事があります。

皆様のご参考になればと思います。

次回は、花粉症についてのお話
(脉診も織り交ぜていきます)
 
青龍サコダ鍼灸治療院 迫田 敬一