2011年6月26日日曜日

「ホピの予言」の上映を終えて

日程の決定に手間取ったうえに、
関西支部HP以外の手段での告知が
ほとんどできていなかったにもかかわらず、
当日は約50名の方が参加されました。

そしてこの映画の製作団体のランドアンドライフに対して
寄付いただいた方に差し上げている小冊子
「ホピ物語ー生命の始まりから浄化の日まで」も
38冊お渡しすることが出来ました。

 第1部の映画「ホピの予言」は
ネイティブインディアンのホピ族にまつわるドキュメンタリーで、
1986年に宮田雪(きよし)監督により
製作されたものです。

 この映画はほぼ三つの事柄を含んでおり、
ひとつ目はアメリカ西部のコロラド高原の近くの
フォーコーナーズ(ユタ・アリゾナ・ニューメキシコ・コロラドの
四つの州が直角に交わっている地域)でウランが採掘され、
放射能の害毒を知らされていない鉱山労働者が
その犠牲になっていること。

またウラン残土やウランの製錬後に出る鉱滓(こうし)が
周辺住民に被ばくをまき散らす様子が描かれています。

この鉱滓は原子力開発による人類の最大の被ばく源と言われていて
やるせない気分になります。

 ホピやナバホの人たちがこれらの被害を受け、
生命と部族の存続の危機にさらされているという
当時の現状が取材されています。

 ふたつ目として先祖から語り継がれたホピの予言が審議された結果、
今まさに人類総体の生き方がが問われている時期に、
真の生き方とは何かを伝えるべきとの結論が出て、
選ばれたメッセンジャーの登場となります。

 そしてみっつ目には、
広島、長崎に投下された原爆として、
ホピの聖地から採掘されたウランが使用されたことを知ったホピの人たちは、
それが先祖から言い伝えられてきた
「灰のびっしりつまったヒョウタン」であると解釈し、
そのことを人類へに警告として世界に発信されていったことが語られています。

 全編を通じて、
ホピ族の言う「母なる大地の内臓」から取り出されたウランが
地上のあらゆる命にとって本質的危険性を孕んでいることが
鮮明に一点の曇りもなく描かれていました。

 常にホリスティックな視座から命を見つめることを
念頭に置いている私たちにとって、
地球という自然と人間という自然の関係性が
現代の無知でかつ狡猾な人間の手によって
まさに切断されようとするのを断腸の思いで見るほかありません。

 思えば広島、長崎での原爆に始まり、
アメリカを始めとする「先進国」で長年続いた原水爆の実験、
そしてスリーマイル島、チェルノブイリ、
そして福島での原発事故、
また事故を起こさなくとも常時環境中に放射性物質を
撒き散らしている世界の四百数十基の原発、
これらによって放射能は原子力以前に比べて
確実に増加していることは間違いありません。

 放射能にはこの値以下だと影響が無いという数値
ーいわゆる閾値ーはないと言われています。

今の私たちに課せられるのは、
放射能の影響を少しでも軽減する治療法、
養生法を追求するだけでなく、
放射性物質を放出し現在の私たちばかりか
百万年後の子子孫孫までツケを残す原発を兎にも角にも
「停止」に持ち込むことをも、
ホリスティック医療に係わる者として視野に入れたいものです。

映画の後の話し合いはほんの短時間でありましたが、
節電などのライフスタイルを変えるだけでなく
生き方の根本を見直したいとの発言もありました。

第二部として被災地にボランティアとして入られた
関西支部運営委員の堀部さん、
宮里さんから現地の様子と活動について話していただきました。

被災後日数が経つにつれ、
なくなった若者がいるのに年のいった自分が助かったことに罪悪感を感じるなど、
心のケアが今後益々求められるだろうとのことでした。

じっくりと話し合う時間が取れなかったのが悔やまれます。

(関西支部 野網昭南)