あれから1年・・・
「少しでも自由に動けるように」と、飼い主はついに車椅子を購入し、犬に付けた。
前脚と車椅子で動けるようになった犬は、ストレスも減り、元気いっぱい。
前脚が鍛えられて、寝返りを打つこともできる。前脚と歪んだ後ろ脚で、1分間くらいは立っている。
大腿の金属プレート挿入部に感染を起こし、ときどき血性の膿が出ているのにもかかわらずである。
一体、この犬に痛みの感覚はあるのだろうか、と思ってしまう。
ヒトでいえば80歳になろうとする老犬。
同じ状態の人間なら、とっくにあきらめて寝たきりになってしまうだろう。
動けるうれしさが治癒力を高めているのだろうか。
無心の強さを思い知らされる。
と、振り向いた瞬間、
足元にあった犬の車椅子にけつまづいた。
「あっ、痛いっ!」
かイヌしの骨折。
犬とリハビリ競争をするはめに・・・