2009年11月28日土曜日

統合医療と東京大学


 先日初めて、日本統合医療学会に参加してきましたので、感想を少々。
会場は東京大学のシンボル安田講堂です。現代の学問の最先端を行く天下の東京大学で、このようなホリスティック関連の学会が開催されるというのは、時代が変わりつつあるということでしょうか。少し感慨を覚えます。

 一番聞いておきたかったのは、「がんの統合医療的アプローチ」というシンポジウムでしたが、内容は、蓮見ワクチン、ゲルソン療法、高濃度ビタミンC療法、緩和医療というものでした。
それぞれの研究データが提示されるのは良いのですが、まあ、とりあえず並べただけで、実際これをどう統合してゆくのかという議論はまだまだ遠いようです。

 そのほかのシンポジウムや講演でも、会場のディスカッションはさすがに学会らしく、極端に変なのは少なかったのですが、中にはやはり自分の療法のみを主張する人もいて、まあ統合はまだまだ先と言う感じです。
他人の主張や価値観を認めるところから、ホリスティックな統合の第一歩が始まると思います。

 民主党の代議士さんも来ていて、やはり政治力と言うのも必要なのかとも思いました。
個人的に気に入ったのは、特別講演の山折哲雄先生の「死に支度」と言う言葉でした。

 東京大学というところに、生まれて初めて足を踏み入れ、ここが観光地であった事を知りました。赤門や三四郎池で写真をとる修学旅行生、売店にゆけば、絵葉書はもちろん、東大まんじゅう、東大チョコレート、Tシャツ・・・
ランチはキャンパスのベンチでとりましたが、見ていると歩いている人々は、学者、学生、犬を散歩させている近所の人、観光客が入り乱れ、なんとも不思議な感じのするところでした。

愛場庸雅

2009年11月24日火曜日

THIS IS IT


マイケル・ジャクソンの映画
「THIS IS IT」
を見て気ました。
すべての曲を知っているほどではないですが
小学高学年から中学ぐらいに
レンタルレコード店へ通っていまして
聴いていましたので、
(ムーンウォークも練習していました)
昔と歌もダンスも変わりなく
年齢を感じられませんでしたし
かっこよく、懐かしかったです。

コンサートのリハーサル風景の
ドキュメンタリー映画で
出演者、スタッフとのやり取りに
関心を持ちました。

すべてのスタッフは一流で
「マイケルとのステージを
目標にしていた」という
ダンサー、演奏者がほとんどでしたので
マイケルといるこの場が、
生涯の最高の場であり
尊敬の念がアリアリと感じられました。

マイケルは、
完ぺき主義で
曲のアレンジは原曲のままを追求し、
楽器演奏、ダンス、演出
すべてのスタッフに指示を出し
マイケルを引き出す作業のように
感じられました。

しかし、反面にマイケルの歌にスタッフが
盛り上がり、マイケルを乗せようとすると
「今日は声をセーブしてるんだ。乗せないでくれ」と
コメントがあり、思考でコントロールしている
マイケルは表現しても、
感情で盛り上がる事は戸惑っている
印象でした。

ダンサーに注意するときに
「曲のために言っているんだ。わかるよね」
イヤホンに不快感を感じて演出家に不満を言ったときに
「君に言っているのも、これは愛なんだ」
など、マイケルは怒ってはいけない。
小さな事にこだわってはいけない。
何か思い込みがあったように感じました。

神格化され、意識の集合体であるマイケル像と
本来のマイケルとの違和感が開き
押さえられたマイケルの
影(表現を押さえらられている感情など)が
感じられるシーンもありました。

例として、医者(教師、父母など)が私生活でも
自分=医者の顔(ペルソナ)としか
表現できないケースが見られます。
マイケルの場合、
神格化されたマイケル像=自分
「皆が思うマイケル像以上にならなくては。」
と認識してしまうと、
影も強くなり大変だったのかも知れません。

私たちも意識的、無意識的に
縛られたルールにより
自分、家族、周りの人たちを
苦しめてはいないでしょうか?

しかし、THIS IS ITの公演の主題である
「世界を癒す」思いは、
マイケルの本心であると信じて疑いがありません。
ご冥福をお祈りいたします。

青龍サコダ鍼灸治療院
 迫田 敬一

2009年11月17日火曜日

第36回コアの会学習会の案内

第36回学習会

平成21年12月12日(土) 午後3時~午後5時
                   
場 所 : 慈恵クリニック
      奈良県大和郡山市小泉町東1丁目8-7
     (JR大和路線大和小泉駅、徒歩1分)
      参加者が多ければ変更します

講    師    クリスタルボウル演奏者   万葉音氏


学習予定内容

1.クリスタルボール演奏

2.懇親会







参 加 費
2000円(一般 おやつ代等含む)
1000円(慈恵クリニックの患者さん、コアの会会員、ホリスティック医学協会会員)


定員 :20名

申込 :慈恵クリニック
    TEL. 0743-57-6131
    yamada@jikei-clinic.com
    *メールでお申し込みされる場合は、来られる方の
     お名前と所属、連絡先電話番号かメールアドレス
     を記載してください。
    *お申し込みは12月10日までとさせていただきます。
     

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コアの会:慈恵クリニックで開催される勉強会です。
コはこの世のこと、アはあの世のこと、そしてコアは英語で
核心という意味があります。

私たちが生きている現実的な世界とスピリチュアルな
領域も含めて、健康について必要なことを深く勉強し、より
健康的な人生を歩んでいけるお手伝いをしたいと思っていま
す。
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次回学習会の開催は未定
しばらくコアの会学習会はお休みします。その間充電期間として、
またいずれ良い企画を考えて再開したいと思います。
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中川米造追悼記念シンポジウムに参加して

先日、中川米造追悼記念シンポジウムに参加した。
中川先生には、私もホリスティック医学協会でお世話になったし、
個人的にも色々と刺激を受けた先生だった。
当日は他の用事があったが、それをキャンセルして参加した。

今回のシンポジウムでは、中川先生が哲学者であったことを初めて知った。
医療文化学や医学史、医療社会学、医療哲学、医学教育など
幅広い分野で活躍されていたが、
話がとてもわかりやすく、いわゆる「哲学」という印象は全くなかった。
しかし今考えると、確かに見識があり、奥が深かった。
何をたずねてもすべて知っていたという印象だ。

その一方でとても庶民的であり、誰が声をかけても
気楽に話に応じてくれた。
ある時、数人の医者と学校の先生とで一緒に飲んでいたのだが
一人の先生がふと、ヨネちゃん(中川先生の愛称)を
この会に呼びたいなあ、という提案があった。
酔った勢いもあってか、私はすぐさまその場で
先生の自宅に電話をしたところ、二つ返事で承諾してくれた。
酔っていなければ、とてもそんな大胆なことはできなかったが、
でもそんな一本の電話で、すぐさま来ることを了承してくれるほど
とても気さくな先生だった。

シンポジウムでは色々な人が発言していた。
中川先生は、自分の死を、何か人ごとにように語っていた。
死ぬことなど、別段たいしたことではないと言わんばかりだった。
この発言はとても印象的だった。
また中川先生は「自分の生命は確かに亡くなるが、
でも私のことを覚えている人がいる限り私は死なない」
とも言っていたという。

そんな思いを持っていたからこそ、
自分の死をも、こともなげに受容できたのかもしれない。
死に対する思いは人それぞれだが、
死後の世界や天国の存在に安らぎを求めるのではなく、
人の心の中に生き続けることに安らぎを覚えるところが
何か中川先生らしい気がした。

死ぬ間際にも、親友や教え子とのさりげない話の中で、
「この分野で種蒔きはした」という言葉があったという。
中川先生は、自分で何か大きなことをするとか
世の中を動かすといった思いはあまり持っていなかったようだ。
様々な分野で、様々な人と関わっていたが、
常に、来る者は拒まず、去るも者は追わずの姿勢を貫いていた。
あとは、私の思いを受け継いだ人たちが
各分野で活躍してくれたらそれでいい、という思いがうかがわれる。
私利私欲も名誉欲も権力欲もなく、とても寛容で飄々とした先生だった。

自分も、中川先生の影響を受けた数多くの人たちの一人として
何かしらの形で、その思いを形にしたいと思っている。
また、今回中川先生の生き方や考え方に触れ、
あらためて自分のこれからの人生のあり方にも思いを馳せた。
私にとっては、とても意義深い、節目となる一日だった。

2009年11月11日水曜日

子供のことば・・

以前来院されていた
こどもの患者様の言葉ですが、
小児鍼(まったく痛みはありません)の
後に母親に子供さんがいらっしゃる横で
「子供の病気で疳虫(カンムシ)
 というのがあります。
 体調が悪いときに甘いものを
 取ると風邪になったり、
 悪くなり易いので、
 治るまで食べないほうが
 いいですよ。」
と、お話した事があります。

後でお聞きしたのですが、
帰りに母親が
「ケーキ買って帰ろうか!」
 と母親がいうと
「何言ってるの?
 先生がダメって言っていたよ!」
と好きなケーキなのに言ったそうです。

信頼して頂いていることに感謝いたしましたし、
大人になるにつれ、
本来の素直な感情や思考など
自身が様々なストレス、
欲求のために変化させて
表現しているような事を
考えさせられました。

老子の書籍の中で
究極のこころのあり方は
「自然のまま、あるがまま、嬰児のごとく・・」
とあります。
さらに
「素朴、寡欲、絶学・・」
「文字を捨てる」
とあり、「えっ」と思いますが、
知識、思考が本来の自分が
囚われないようにしなければ、
いけないと感じました。

患者様に施術させて頂いておりますが、
人生のテキストとして
様々なヒントを与えて頂いております。

学ぶことを大切にし、
それに囚われないよう
自分らしくを探求していきます。

青龍サコダ鍼灸治療院 迫田 敬一